理学療法士はなぜ辞める人が多い?離職理由や辞めたあとの仕事も解説
理学療法士はなぜ辞める人が多い?離職理由や辞めたあとの仕事も解説
更新日:2024年01月11日
公開日:2024年01月10日
理学療法士は人の生活を助ける魅力的な仕事。しかし、働いていると
「辞める人が多いな。」「また職場の理学療法士の人が、転職した…」
と離職する人に会うことがあります。自分の将来のことを考えると、不安になることもあるでしょう。
この記事では、理学療法士の離職率や離職した後の生き方についても解説しました。最近、将来のことで悩むことが多い」と思っている理学療法士の方。ぜひ、記事を読んで今後の自分の将来を考える参考にしてみてください。
目次
理学療法士は辞める人が多い?離職について深ぼり
理学療法士を辞める方は実際にいらっしゃいます。しかし、時期や施設によって違いがあるのも事実です。実際のデータと比較することで、自分がどこまで働くべきかの目安が付きやすくなります。
ここでは、離職率や平均勤続年数から、理学療法士の人がいつ辞めやすいのかを解説していきたいと思います。
離職率
理学療法士の離職率は、施設の職種によって違います。理学療法士の平均離職率は医療機関で10.2%、介護福祉領域で18.8%です。介護福祉領域の方が離職率は高いと言えます。
また、その中でもさらに離職率に差が出ています。最も離職率が低い分野が医療領域の高度急性期で6.8%です。最も離職率が高い職場は福祉領域の訪問リハビリで37.4%でした。以下は、各施設ごとの離職率です。
医療領域
高度急性期:6.8%
急性期:9.4%
回復期:10.7%
慢性期:12.6%
福祉領域
介護老人保健施設:20.5%
訪問リハビリ:37.4%
訪問看護:17.3%
通所リハ:19%
通所介護:19.6%
特別養護老人ホーム:9%
そのほか:20%
「引用:日本理学療法士協会の「2016年(平成28年)医療従事者の需給に関する検討会」
いつ辞める時が多い?
理学療法士の離職時期は、平均勤続年数のデータが活用できます。理学療法士の方の平均勤続年数は、令和4年度の賃金構造基本統計調査によると7.4年です。
新卒の人が、7.4年働くと30歳前後です。その年齢になると、転職・離職をする方が多くなると言えるでしょう。
参考:賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040029181
理学療法士の離職理由とは?特に多い退職理由をピックアップ
理学療法士は国家資格であるため、医療領域や福祉領域など転職先が多くあります。そのため、職場を離職する理由もさまざまです。その方たちの離職理由が分かれば、自分が行動するきっかけや参考になるでしょう。ここでは、理学療法士の方に多い離職理由4つをご紹介します。給料の低さ
給料の低さは、数ある原因の中の1つです。令和4年度の賃金構造基本統計調査によると、理学療法士の平均年収は約429.8万円、月収は約30.0万円です。
出典:令和4年度 厚生労働省 賃金構造基本統計調査
「1 職種別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額」
※平均年収の計算方法:「きまって支給する現金給与額」×12カ月+「年間賞与 その他特別給与額」
*千円以下は四捨五入して計算*残業代も含む
理学療法士は、非正規職員として働いている方が多くいます。非正規職員職員は平均年収よりも、給料が低くなります。長く働いても昇給が難しいため、正規職員、残業なしの職場を求めて転職する方が多くいるのが事実です。
人間関係
人間関係に悩んでいる方も、辞める理由です。理学療法士は人と関わる仕事。患者さんだけでなく、家族、同僚、上司など多くの人と関わります。そのため、どうしても自分が苦手に思う人がいるため、辞めてしまうようです。
物理的に距離をとることで、人間関係に悩むことは無くなります。理学療法士の仕事自体が好きな方は、この方法で職場を離職している方もいます。
家庭の都合
家庭の変化も離職理由の1つです。人生には、結婚、出産、介護、引っ越し…。さまざまなライフイベントがあります。現状仕事をしていくことが難しくなった方は、離職して家庭に入ることや違う職場・仕事を考えています。
キャリアアップ
キャリアアップを理由に、離職して違う職場に行く方もいます。理学療法士は非正規で働いている方も多い職業。正規職員や好待遇を目指して、離職・転職することも大切です。。
介護・福祉領域の理学療法士が医療領域に転職すると言ったケースも多くあります。対象となる患者さん・施設規模が変わるだけで働きやすくなるそうです。転職をして、給料や待遇が良くなったケースもあります。
理学療法士を辞めたあと、仕事はある?辞めた人が次にすることは?
理学療法士を辞めても、生きていく道は多くあります。転職や離職を考えている方は、理学療法士を辞めた人が、どのような仕事をしているか気になるかと思います。ここでは、理学療法士を辞めた人の生き方についてご紹介します。
条件の良い職場に転職
条件の良い職場に転職するのは、1つの手段です。給料や人間関係で悩んでいても、仕事自体は嫌いではない方がいます。そのような方たちは、転職サイトを利用して良い条件で転職するのが良いでしょう。
たとえば、PT・OT・STワーカーでも、実際の働いている方の口コミもご覧になれます。土日休みや給料など、希望の条件で求人も探せるのがポイント。また、転職エージェントによるサポートも充実。希望の求人を探すだけでなく、面談の練習もしています。
仕事自体が好きであれば、求人は多くあるため、理学療法士を辞めることはありません。転職して、仕事のストレスが減れば理学療法士を続けていくこともできます。当てはまる方は、ぜひ転職サイトを利用してみてください。
新しい職種を探す
理学療法士を辞めたあとは、新しい職種で働いている方が多くいます。理学療法士は国家資格のため、資格や仕事の経験を活かせば転職は可能です。
たとえば、理学療法士で学んだ骨格・筋肉の知識を活かしたパーソナルトレーナー。コミュニケーションや対話する力を活かした医療機器営業。未経験でも挑戦できる場所や働き方を自由に選べるライター。自分の得意分野に合わせて働いています。
勇気はいりますが、最近では転職した方も多くなってきました。転職エージェントを利用して、新しい道をいっしょに探すのも良いでしょう。
理学療法士をやめても生きていく道は多くある
理学療法士を辞める人は、福祉領域で特に多いと言えます。辞めている方は多くても、さまざまな道があるのも事実。職場を変えて、環境を変えて働くのも良いことです。また、思い切って職業を変えて、年収UPする方法も1つの手です。
多くの方が迷うからこそ、進める将来の道は多くあります。ぜひ、自分が大切にしたいことを明確にして、転職やキャリアアップを進めてみてください。
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