言語聴覚士は理学療法士や作業療法士と比べると、会員数が少なく人手が足りていない資格です。しかし、興味はあっても社会人のため、取得を迷っている方もいらっしゃるかと思います。
言語聴覚士は、社会人で仕事をしながらでも資格取得可能です。ただし、通信教育では取得できないため、適切な養成校選びが大切です。
本記事では、社会人から言語聴覚士を目指す方法、よくある疑問、養成校の探し方について解説します。社会人から言語聴覚士になる方法を理解できるため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
社会人から言語聴覚士になる手順は?
言語聴覚士は、社会人から目指せるルートが存在します。ただし、正しい手順を踏まないと言語聴覚士になれません。社会人から言語聴覚士になりたい方は、まずは手順を理解しましょう。本章では、言語聴覚士になる手順について解説します。
指定校・養成施設校で学ぶ
まず、最初にすることは指定校・養成施設校で学ぶことです。言語聴覚士になるには、国家試験に合格しなければいけません。そのため、国家試験を受ける際の受験資格を満たす必要があります。厚生労働省で定められた指定校・養成施設校で学びましょう。国家試験を受験
受験資格を満たしたら、国家試験を受験しましょう。言語聴覚士の国家試験は、毎年2月下旬に行われています。以下は、令和6年度第26回言語聴覚士試験の概要です。試験日:令和6年2月17日(土曜日)
試験地:北海道、東京都、愛知県、大阪府、広島県及び福岡県
試験科目:基礎医学、臨床医学、臨床歯科医学、音声・言語・聴覚医学、心理学、音声・言語学、社会福祉・教育、言語聴覚障害学総論、失語・高次脳機能障害学、言語発達障害学、発声発語・嚥えん下障害学及び聴覚障害学
引用:厚生労働省 言語聴覚士試験の施行
自分はどのルート?言語聴覚士になる3つのルートをご紹介
社会人から言語聴覚士になるには、3つのルートで資格取得できます。以下の3つのルートの概要です。①高校卒業者の場合:文部科学大臣が指定する学校(3~4年制の大学・短大)または都道府県知事が指定する言語聴覚士養成所(3~4年制の専修学校)
②4 年制大学卒業者の場合:指定された大学・大学院の専攻科または専修学校(2年制)を卒業
➂言語聴覚士の養成に関わる一定基準の科目をすでに習得している場合:1年制の指定校
参照:日本言語聴覚士協会 「めざせ ST」
多くの社会人の方は、①か②に当てはまるかと思います。そのため、社会人から言語聴覚士を目指す場合は、2~4年期間が必要なことを理解しましょう。
社会人から言語聴覚士になるには?間違えやすい疑問を解説
社会人から言語聴覚士になる場合、仕事を辞めずに取得されたい方も多いかと思います。そのため、できるだけ養成校に通う期間を短くしたいですよね。本章では、社会人から言語聴覚士を目指す際に生じる「よくある疑問」について解説します。
●働きながら言語聴覚士になれる
●2年制、1年制の学校でも可能
●ユーキャンなど通信講座では不可能
●小児言語聴覚士になるには?
働きながら言語聴覚士になれる
働きながら言語聴覚士になることは可能です。先述した国家試験の受験資格を満たせば、誰でも受験できます。言語聴覚士の養成校の中には夜間学部があります。日中に仕事をされている方は、夜間学部で学んでいくことがおすすめです。
自分が住んでいる都道府県で養成校を探したい方は、後に紹介する日本言語聴覚士協会のサイトで探しましょう。通学時間帯や卒業見込み学年で探せるため、自分に適した養成校を探せます。
2年制、1年制の学校でも可能
言語聴覚士になるには2年制、1年制の養成校でも可能です。ただし、通うには条件に当てはまる必要があります。2年制の場合は、4年制大学卒業していることが条件です。3年制に比べると、スケジュールとしては1週間に学校に通う回数が多くなります。その状況を「きつい」と表現する人もいるのは事実です。
1年制の場合は、あらかじめ指定されている単位を取得することが条件です。現時点では、日本には大和大学白鳳短期大学部のみが、1年制の学校です。興味がある方は、大和大学白鳳短期大学部のサイトをご覧ください。
大和大学白鳳短期大学
ユーキャンなど通信講座では不可能
言語聴覚士は、通信講座で受験資格を満たすことができません。言語聴覚士になるには、以下の受験要件を満たす必要があります。●高卒であれば、文部科学大臣が指定する学校(3~4年制の大学・短大)または都道府県知事が指定する言語聴覚士養成所(3~4年制の専修学校)を卒業
●大卒であれば、指定された大学・大学院の専攻科または専修学校(2年制)を卒業
●外国の大学へ行った場合は、厚生労働大臣の認定
●言語聴覚士の養成に関わる一定基準の科目をすでに習得している者は、対象とした指定校(1年制)を卒業
2023年12月現在では、国が定めたカリキュラムを満たせる通信講座はありません。そのため、通信講座では受験資格を満たせないので注意してください。
小児言語聴覚士になるには?
言語聴覚士として働く分野に、小児分野があります。言語聴覚士の資格を取得できれば、小児分野の言語聴覚士として就職できます。小児分野は、全国的に数が少ないことでも有名です。以下は、言語聴覚士協会で会員が働いている機関が、対象としている障害(複数回答)です。
引用:日本言語聴覚士協会
小児言語・認知分野の3倍が、成人言語・認知となっています。働いている言語聴覚士は少ないですが、通級教室、児童発達支援事業所など需要は増えている分野です。小児分野の知識をつけたい場合は臨床実習で小児分野の職場に行って、研鑽を積んでいくことも良い手段でしょう。
言語聴覚士になれる学校の探し方
言語聴覚士になれる養成校を探している方は、日本言語聴覚士協会のサイトで探しましょう。日本言語聴覚士協会でのサイトでは、全国の養成校を検索できます。また、通学時間帯や入学資格でも検索ができます。そのため、社会人の方でも通える学校や自宅近くの学校を探すのにとても便利です。社会人から言語聴覚士になるには、ぜひ利用してみてください。
日本言語聴覚士協会 養成校検索はこちら
社会人からでも言語聴覚士になれる!自分に適した養成校を選ぼう
社会人から言語聴覚士になる方法について解説しました。本記事で解説したポイントは以下のとおりです。●社会人から言語聴覚士になるには、指定校・養成校に通う必要がある。
●社会人から言語聴覚士になることは可能。
●通信口座では言語聴覚士になるのは不可能。
●自分にあった養成校を探すには、日本言語聴覚士協会のサイトがおすすめ。
社会人から言語聴覚士になることは可能です。そのため、養成校検索をして自分の状況に適した養成校選びからまずは始めていきましょう。
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