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実例付き|看護記録がサクサク進むSOAPの考え方とは?

実例付き|看護記録がサクサク進むSOAPの考え方とは?

更新日:2023年08月31日

公開日:2023年08月24日

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バインダーとペン

看護記録や介護記録の質を上げるために、SOAPはとても使える記載方式です。しかし、実際に導入しても書き方に困ってしまう方もいらっしゃるかと思います。そこで、今回はSOAPの概要や記録の記入例について紹介します。

SOAPを導入はしたが、思っているように書けない方や記録の書き方を学んでいる方もぜひ参考にしてみてください。

患者さんの情報を客観的にみるSOAPとは?

聞き取り調査をするスタッフ

SOAPとは、問題解決に焦点をあてた記入方式です。4つの視点から状態を記載していくことで、より客観的に患者さんの情報を共有できます。ここでは、SOAPの意味とどんな場面で使われるかについて解説します。

SOAPを使う意味とは?

SOAPは情報共有や患者理解を進めていくために、使用されます。SOAPは以下の4つの要素で構成されている記入方式です。

S(subjective):主観的情報
O(objective): 客観的情報
A(assessment): 評価
P(plan): 計画(治療)

SOAPが使われる意味として、問題解決の根拠が明確な点があります。問題を明確に捉えることで、焦点が絞りやすく、監査するのも効果的です。そのため、SOAPは医療現場で使われることが多くなっています。

SOAPはアセスメントで必要?

SOAPはリハビリや歯科職など、医療現場で必要とされている記録方式です。SOAPが使いやすい場面としては、以下のような場面が挙げられます。

・介護現場
・リハビリ食
・訪問介護
・看護記録

複数の専門職が関わる場面でも、共有しやすいためSOAPは使われています。今後の計画や治療を記入するため、アセスメントの場面で使われることも多くあります。

職種別|SOAPの書き方の記入例をご紹介

考えるスタッフ

SOAPは優れた記録方式ですが、書くポイントを押さえて置かないと内容が伝わりづらくなってしまいます。そのため、SOAPの書き方を学んでいくときは、実例やお手本を参考にしていきましょう。

今回はリハビリ職と歯科職の場合の、SOAPの実例を記載します。実際には各職場にて、書式の違いはあるかと思いますが、書く際の参考にしてみてください。

SOAPで記録する際の必須項目とは?

SOAPは、4つの視点を分かりやすく書くのが必須です。SOAPは情報共有を図るツールであるため、記載するためには主に以下の4つの視点を記載します。4つの視点のポイントは以下のとおりです。

S(主観的データ):患者さんが話した言葉をそのまま記載します。
O(客観的データ):客観的な検査やデータを記載します。
A(考察):推論される結果や結論を記載します。S、Oから考えられる結果を書くようにします。個人の偏見や感情は記載しないように注意します。
P(計画):問題解決のためのリハビリの計画や今後の見通しを記載します。他の職種の方に分かる言葉や書き方をする必要があります。

介護記録や看護記録など、種類によってさらに書式は異なってきます。今回は、SOAPの部分について記入例も実際に紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

リハビリ職の記録記入例

ここでは、リハビリ職のSOAPの記入例を2点紹介します。1つ目はリハビリ職が複数関わることを想定したケースです。

2005年11月18日右被殻出血発症。第2病日より、ベッド上にて理学療法開始
S:左が重たくて、動けない。起きれない。

O:左側の麻痺に対しての訴えはあるが、動作時の左への注意は低く、右上下肢のみ使用して寝返りを行う。
常に左下側臥位をとりやすく、仰臥位では頚部右回旋・側屈位を常に伴う。

A:左感覚障害・左身体失認・筋緊張低下・姿勢状況より今後の左肩・股関節痛の危険性あり。動作上・姿勢状況より、
左半側視空間失認が疑われるため、車いす動作やADLの拡大に伴う問題点の把握に注意を要する。

P:看護師・PT間でのポジショニングの徹底を行なう。(仰臥位・両側臥位・ギャッジアップ座位)


2つ目は介護記録の記入例です。こちらは、利用者年齢等も記載するケースです。

利用者年齢/性別 88歳女性 診断名 アルツハイマー型認知症 骨粗鬆症 尿路感染症の既往有
S:
「食べたい」
O:
・食事のためベッドから移乗しようとするも起き上がることを拒否。
・ベッドサイドに食事を持っていくも起き上がることを拒否。
・ストローで水分摂取を促すと飲むことはできた。むせこみなし。
・熱発なし。
(・夕方まで排尿なし)
A:
・食事が摂れないと脱水症状が懸念される。
・ベッドから体が起こせない様子なので、昨晩の転倒時に打撲している可能性あり。
(・夕方まで排尿がないため脱水症状の危険性があり。)
P:
・水分はストローで摂取していただく
・看護師が出勤したら報告し指示を仰ぐ。
・本日中(日曜日)は急変がないか注意して様子観察を行う。
(・夕食時は水分を中心に摂取していただく。)

歯科職の記録記入例

歯科職でもSOAPの方式は活用できます。また、日本歯科衛生士会では、実際の現場で使える業務記録の様式がダウンロードでできます。実際の現場で使う前に練習してみたい場合は、ぜひ有効活用してみてください。

日本歯科衛生士会ホームページ「https://www.jdha.or.jp/topics/jdha/c/499/general/」

歯科職記入例

S
「歯を磨くと血が出る」
「義歯で固いものが咬みにくい」
O

「幼若永久歯あり」
「下顎前歯部のプラークの付着が多い」
「口腔粘膜にびらんが認められる」
A

「深い小窩洞裂溝の存在に関連した、う蝕のリスク」
「不十分なプラークコントロールに関連した下顎前歯部の歯周炎のリスク」
P

「歯ブラシを嫌がらないように徐々に慣らしていくように指導」
「患者の手技を観察し、フィードバックを行なう」
「歯周病予防にはセルフケア以外にプロフェッショナルケアが必要であることを指導」

SOAPを使って、より深く全体像を把握しよう

血圧を測る男性とスタッフ

SOAPは4つの視点から記載していく問題解決方式です。最初は、各情報の書き方に苦労するかと思います。しかし、実例や書き方を参考にして記載していくなかで、徐々に慣れていくものです。

ぜひ実例を参考にしていきながら、SOAPの書き方に慣れていってください。
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