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脊柱管狭窄症で痛みやしびれが出現する…自分でできるリハビリ方法について解説

脊柱管狭窄症で痛みやしびれが出現する…自分でできるリハビリ方法について解説

更新日:2022年10月27日

公開日:2022年10月25日

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腰をさする人

歩き続けるとなんだか足が痛くなったり、痺れたりする…そのような経験はありませんか?もしかすると、その症状は脊柱管狭窄症が原因かもしません。この病気が進行すると日常生活に大きな支障が出る危険性もありますが、適切な治療により症状の予防・改善が期待できます。

今回は脊柱管狭窄症の症状やその対処法、自宅でできるリハビリについてご紹介します。

脊柱管狭窄症とはどんな病気?

リハビリをする男性

脊柱管は背骨にある空洞の部分を指し、そのスペースに神経が通っています。脊柱管狭窄症とはその名前の通り、脊柱管が狭くなることで神経が圧迫され、さまざまな症状が現れる病気です。

こちらでは脊柱管狭窄症についてさらに掘り下げて説明します。

脊柱管狭窄症はなぜなるのか

脊柱管狭窄症の原因は1つではなく、さまざまなことが考えられます。     一般的に腰を頻繁に使う運動を繰り返す、体重が増加して背骨に負担がかかる、などが原因です。背骨にストレスがかかると、脊柱管についている靭帯が厚くなり神経を圧迫します。骨粗鬆症の影響で骨の変形が起こり、神経を圧迫するケースもあるでしょう。

その他にも加齢や糖尿病、ストレスなども影響しているといわれています。脊柱管狭窄症は背骨に直接関係のある原因だけではなく、間接的に影響するものもあることがわかります。

脊柱管狭窄症の症状

脊柱管狭窄症の代表的な症状には、以下のようなものがあげられます。

・下半身のしびれ
・足の感覚の低下
・間欠性跛行(かんけつせいはこう)
・腰や下半身の鈍い痛み、または鋭い痛み
・足のだるさ、重さ
・排尿、排便障害

このように神経が圧迫されることで、下半身や腰に関連した症状が現れます。間欠性跛行とは、ある程度の時間歩き続けていると下半身に痛みやしびれが出現して、歩くのが困難になる症状です。この症状の特徴は、数分間休むと痛みやしびれがおさまることです。

脊柱管狭窄症は50代以降に発症しやすい

脊柱管狭窄症は50代から少しずつ増えて、60〜70代以降の人が多く発症します。その理由として、加齢にともなった筋肉の低下や骨の変形が考えられるでしょう。脊柱管狭窄症が起こる原因でも説明しましたが、骨が弱くなったり変形したりすると神経が圧迫される危険性が高まります。

脊柱管狭窄症は長い年月をかけて進行する病気です。この病気を防ぐためには、普段の生活習慣や運動習慣を整えて身体機能の低下を防ぐことが大切です。

脊柱管狭窄症の評価・診断方法

「腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン」によると、脊柱管狭窄症を見分けるための診断基準は以下のとおりです。

・お尻から足にかけて痛みやしびれがある
・立ったり歩いたりすることで、お尻から足までの痛みやしびれが強くなる
・前屈みや座っている状態では痛みやしびれがおさまる
・歩いたときに出る痛みは腰だけではない
・レントゲンやMRI画像で脊柱管の狭窄が確認できる

これらの条件が当てはまる場合、脊柱管狭窄症と診断されます。また神経や筋力の影響をチェックするために、以下のような評価も同時に実施することがあります。

・筋力評価
・感覚評価
・反射評価

出典:腰部脊柱管狭窄症 診療ガイドライン 2011 - J-Stage

脊柱管狭窄症はどうしたらいい?対処法は?

療法士さんに背中をさすってもらう男性

脊柱管狭窄症だと感じた場合、なるべく早めに医療機関で診察してもらいましょう。実際に脊柱管狭窄症と診断されたら、基本的に以下の方法で治療を進めます。

・保存療法
・手術療法

こちらではそれぞれの治療方法について説明します。

脊柱管狭窄症はリハビリを行うことが大切

脊柱管狭窄症の治療では、保存療法を行うことがほとんどです。保存療法にもいくつかの種類があり、その1つとして運動療法、いわゆる「リハビリ」が含まれます。ガイドラインによると、運動療法を行うことで痛みやしびれの軽減や、身体機能の改善に有効とされています。

痛みやしびれで活動量が減ると筋力・骨の強度の低下につながり、さらに症状が悪化する危険性があるでしょう。それを防ぐためにも、リハビリで筋トレやストレッチを行うと同時に、背中にストレスがかからないための動作を獲得することが大切です。

出典:腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン改訂第 2 版(案)

その他の保存療法について

保存療法は運動療法以外に、以下のようなものがあげられます。

・薬物療法
・装具療法
・物理療法
・ブロック療法

薬物療法では、鎮痛剤や血液の流れをよくする薬などを使用して痛みの軽減を図ります。装具療法ではコルセットを着用して腰を固定し、体幹が動かないように安定性を担保。物理療法では温熱治療や電気治療を行い、ブロック療法では神経に局所麻酔を注射して痛みをやわらげます。

保存療法のメリットは治療を早期にはじめられるので、痛みやしびれの予防をしやすい点です。とくに薬物療法やブロック療法は即効性があり、痛みをすぐにおさえたいときに便利です。しかし保存療法はあくまでも対症療法でしかないため、脊柱管狭窄症の完治はできません。症状の進行をおさえて、痛みをコントロールすることがおもな目的であることを理解しておきましょう。

症状がひどいときは手術療法を行う

症状が進行し、保存療法では対処できなくなった場合に手術療法を行います。手術療法ではおもに「除圧」と「固定」の2種類の方法で行います。

除圧術は、神経を圧迫している原因をとり除く方法です。圧迫の原因となりやすい骨や靭帯をずらしたり削ったりして、脊柱管のスペースを確保します。固定術は、背骨をプレートやネジで固定して神経の圧迫から防ぐ方法です。除圧術で背骨が不安定になったときに行うケースもあるため、同時に2つの方法で手術することもあります。

手術療法のメリットは、痛みやしびれなどの根本的な原因をとり除ける点です。しかし背中を切開する手術を行うため、感染症・合併症の危険性があります。さらに脊柱管狭窄症が再発する可能性はゼロではないため、今後も十分に気をつけて生活をする必要があるでしょう。

脊柱管狭窄症のリハビリ内容

腰に手を当てる後姿の男性

脊柱管狭窄症の人には、どのようなリハビリがおすすめなのでしょうか。こちらでは自宅でも行えるリハビリ内容についてご紹介します。

脊柱管狭窄症の人の筋トレ方法

脊柱管狭窄症の症状をおさえるためには、腹筋と背筋のトレーニングが重要です。

腹筋のトレーニング方法は、以下の流れで行います。

1        あお向けになった状態で両膝を立てる
2        腰と床のあいだに手を入れる(手のひらは床方向に)
3        手を下に押しつけるイメージでお腹に力を入れる
4        3〜5秒ほど押しつけて力をゆっくり抜く(息を止めないように注意)
5        10回ごとに休憩する

腰に手を入れるのではなく、厚くないタオルを代用してもOKです。

背筋のトレーニング方法は、以下の流れで行います。

1        あお向けになった状態で両膝を立てる
2        その状態でお尻を上げる(腰を反らさないように注意)
3        10秒ほどお尻を上げ続ける
4        ゆっくり下ろす
5        10回ごとに休憩する

どちらも自宅で気軽に行えるトレーニングなので、ぜひ試してみてください。必ずムリのない範囲で行い、痛みや違和感が出たらすぐに中止してください。

脊柱管狭窄症の人のストレッチ方法

脊柱管狭窄症で固まりやすい背中の筋肉を伸ばすために、ストレッチを行います。ストレッチ方法は以下の流れで行います。

1        あお向けになった状態で両膝を立てる
2        両手で両膝を持って自分の胸に近づける
3        身体を丸めるような姿勢で10秒ほどキープする(息を止めないように注意)
4        ゆっくりと力を抜く
5        5回繰り返す

ストレッチを行うときに股関節に痛みが出ないように、ムリのない範囲で行いましょう。

手術後のリハビリはムリのない範囲で行う

手術後のリハビリは早期に行う方が望ましいですが、まだ治療による痛みが残っている場合、ムリは禁物です。入院中であれば医師や理学療法士、作業療法士の指示にしたがって、少しずつリハビリをはじめましょう。脊柱管狭窄症の症状の重さにもよりますが、入院期間の目安は術後1〜2週間ほどです。

ベッド上で安静にしている時間が長ければ、足首を上下に動かす運動がおすすめです。足の血流が滞ってしまうと、血が固まって血栓ができる危険性があります。血栓は血管を詰まらせる病気の原因となりやすいため、足の運動は定期的に行いましょう。

脊柱管狭窄症のリハビリで気をつけるポイント

手のひらに浮かぶ閃きのアイコン

脊柱管狭窄症のリハビリで気をつけるポイントとして、以下の点があげられます。

・腰を強く反らさない
・腰をひねらない

このような動きを「禁忌動作」といい、脊柱管狭窄症の症状が悪化する原因の1つです。腰を強く反らす、ひねるなどの動きは脊柱管のスペースが狭くなるので、神経が圧迫されやすいです。痛みやしびれが強くならないように、日常生活ではこれらの動きには十分に注意する必要があります。「最近症状が悪化している気がする…」と感じている人は、普段の動きにも意識を向けてみてください。

脊柱管狭窄症とつき合うための方法

脊柱管狭窄症とうまくつき合うためには、さまざまなことに気をつける必要があります。こちらでは、脊柱管狭窄症の人がいつまでも安全・健康に過ごすために注意したいポイントを説明します。

荷物を持つときの動きに注意する

先ほどの「気をつけるポイント」で説明した通り、日常生活で普段行っている動きには脊柱管狭窄症の症状を悪化させる原因が隠れています。たとえば、高い場所にある荷物を持とうとするときに両手を上げると、腰が反りやすいです。その場合は踏み台を用意して、高さを調節してから持ちましょう。

また低い場所の荷物は、つい腰をかがめて持ってしまいがちです。この持ち方は腰に大きな負担がかかるので、しゃがみつつ荷物を身体に近づけながら持つのがおすすめです。

運動習慣をつけておく

脊柱管狭窄症の症状を悪化しないためにも、運動習慣をつけておきましょう。歩くときに痛みが現れると、運動がイヤになることもあるでしょう。しかし定期的に運動をしないと筋肉が衰えたり、固くなったりして、さらに痛みが強くなる危険性があります。

散歩がむずかしい場合は、家でできる筋トレやストレッチでも大丈夫です。リハビリは一定期間行えばOKではありません。今後の生活のためにも、ムリなく生活に運動をとり入れましょう。

マットレスは硬めの素材を使用する

脊柱管狭窄症の人は寝具の工夫もしてみましょう。寝るときは硬め素材のマットレスの使用がおすすめです。柔らかすぎるマットレスは横になるときに腰が沈み込むので、背骨が曲がりやすいです。「朝起きたらなんだか腰が痛い…」と感じた人は、もしかしたらマットレスが柔らかすぎるのかもしれません。

適度な硬さのあるマットレスなら腰の沈み込みが少なく、背骨が曲がりにくいです。また寝返りも打ちやすいため、同じ姿勢のままでいることも減ります。朝の腰の痛みが気になる人は、マットレスの変更を検討してみましょう。

座るときの姿勢に注意

座るときの姿勢も、腰の痛みに関係します。猫背になっていたり、イスに浅く座ったりしていると腰への負担が大きくなります。姿勢よくイスに座るためには、深く腰掛けながら背筋をピンと伸ばしましょう。

腰と背もたれのあいだにスペースがあるときは、タオルを入れると腰痛予防につながります。また座面が硬いとお尻が痛くなり、腰への負担も大きくなるので、クッションを敷きましょう。イスに座る機会が多い人は、なるべくこのような対策をとることをおすすめします。

痛みが出たらこまめな休憩を

歩いているとき、なにか作業をしているときに足腰の痛みが出たら、ムリせずこまめに休憩を挟みましょう。痛みが徐々に現れるときは、神経がムリしている証拠といえるでしょう。その状態で動作を続けてしまうと、症状が悪化する原因になります。

痛みがおさまってきたら、症状が出ないような姿勢を意識しながら動作を再開しましょう。動くたびに痛みが出るのは大変ですが、自分のペースで焦らずに休憩することが大切です。

適切なリハビリを行って脊柱管狭窄症を改善しよう

キーボードと文房具など

脊柱管狭窄症は歩くときに痛みやしびれが強くなるため、日常生活に支障をきたしやすいです。しかし適切なリハビリを行うことで、症状の軽減が期待できます。また痛みを悪化させないためにも、腰に負担をかけない動きを覚えることが大切です。脊柱管狭窄症の症状に困っている人は、リハビリを行いつつ生活習慣を整えてみましょう。

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