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作業療法士になるにはどうすれば良いの?徹底解説

作業療法士になるにはどのような方法があるのでしょうか。大学や専門学校、短大とそれぞれの養成学校の特徴やかかる学費についても詳しくご紹介しています。

更新日:2023年04月06日

公開日:2021年03月17日

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作業療法士になるには

あなたは作業療法士という言葉を耳にしたことがあるでしょうか? 
作業療法士とは、“病気や障がいのある方が自分らしく日常生活を送るためのリハビリを行う専門職”国家資格です。 
作業療法士として働くためには養成校を卒業して国家試験に合格しなければなりません。  
では、作業療法士になるにはどうすればよいのでしょうか。 
当コラムでは、作業療法士になるための方法として資格取得ができる学校かかる費用、また働く場所まで作業療法士に関するアレコレをまとめて解説しています。 

作業療法士とは

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そもそも作業療法士はどのような仕事をしているのでしょうか。 
私たちの日常生活は作業の連続です。  朝起きて顔を洗う、歯を磨く、ごはんを食べる、仕事に行く、余暇を楽しむ、これらの諸活動はすべて作業なのです。  
作業療法士は、病気やケガ、あるいは生まれながらに障がいをお持ちの方に対して応用動作能力と社会的適応能力を回復させることが主な仕事で、手工芸や芸術、遊びやスポーツなどの創作活動やレクリエーション、日常動作訓練を行います。  
理学療法士が「歩く・座る・立つ」といった基本的な動作に対してリハビリを行うのに対し、作業療法士は日常生活をスムーズに送るための複合的なリハビリを行います。  
つまり、作業療法士とは病気や障がいを持った方が社会とつながるために日々の生活の営みに参加できるようにするといった、いわば「懸け橋的な役割」を担っているのです。 

作業療法士になるためには学校に行く必要がある

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作業療法士になるためには、国家試験を受験して合格することが必要となります。  
そのためには、文部科学大臣または厚生労働省が指定した養成施設で3年以上学ばなければなりません。  
作業療法士の養成課程では、「基礎分野」「専門基礎分野」「専門分野」と多岐にわたる知識を身につけるほか、総単位数が101単位、3,150時間以上の講義・実習などが必須とされています。  
作業療法士の養成施設には4年制の大学、3年制の短期大学、3年制または4年制の専門学校があり、2019年時点における養成学校施設は全国に約193校となっています。 
また、専門学校には夜間部のカリキュラムを組んでいる学校もあり、働きながら資格取得を目指すことも可能です。 
これらをふまえたうえで、以下では学校選びの方法として大学、専門学校、短大とそれぞれの進学コースについて詳しく説明しています。 
作業療法士を目指している、あるいは興味があるという方は、学校選びの参考にしてみてはいかがでしょうか。 

作業療法士になるには「大学コース」

作業療法士の需要が高まっていることで、より専門性や多様性を身につけるために養成課程の4年制化がすすめられており、このような需要に対応する大学は増加傾向にあります。 
4年制の大学では、3年制の専門学校や短大と比べて1年長く学校に通うため、作業療法士に必要な基礎知識や専門知識、臨床知識をより時間をかけてじっくり学ぶことができます。 
また、社会人として備えておきたい一般教養などもカリキュラムに含まれているため、社会人としてのマナーを身につけ、実際に作業療法士として働きだしたときに活かすことができるのが大学の大きな特徴といえます。 

作業療法士になるには「専門学校コース」

作業療法士になるための専門学校の多くは3年制ですが、まれに大学同様に4年制となる専門学校もあります。 
専門学校では、作業療法士に求められるニーズをふまえてより実践的な教育に力を入れたカリキュラムを中心に、1年次から作業療法士に必要な専門知識や技術に絞った授業を行っていきます。 
大学で学ぶ教養科目はないため、作業療法士になるための授業に集中できる環境となっていることが大きな特徴といえます。 
なお、最近は国家資格の取得を目指すだけでなく、作業療法士の仕事に活かせる「福祉住環境コーディネーター2級」などの資格取得を積極的にすすめている専門学校も増えています。 
作業療法士を目指す人が増えているなかで、このような資格取得は就職に有利とされており、卒業後の進路の選択肢も広がりやすくなります。 


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作業療法士になるには「短大コース」

作業療法士になるための養成課程がある短大は、大学や専門学校と比べて圧倒的に数が少ないため通える人が限定されているのが現状ですが、専門学校と同じく3年制となります。 
専門学校との違いは、3年制であるものの教養科目があることと、学校によっては内部進学があることです。 
内部進学によって作業療法士だけでなく別の国家資格の取得ができる専攻科に入ることも可能で、大学卒業者と同じく「学士」を取得することができます。
 

大学と専門学校の違いは?

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大学を卒業することによって「学士」という称号がもらえます。  
3年制の専門学校では「専門士」、4年制の専門学校では「高度専門士」という称号になります。  
この高度専門士というのは学士と同程度とされています。  
どの学校を卒業しても国家試験に合格すれば作業療法士であることに変わりはありません。  
また、給料も働く場所によっては大卒も専門卒もほとんど金額差はないでしょう。 
じっくり深く学びたいのか、早く現場で働きたいのか、自身が描くキャリア像に合わせて学校選びを行うのがよいのではないでしょうか。 


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作業療法士になるためにかかる学費はどれくらい?

東京都内医療系専門学校における初年度納付金の平均額 
学科区分初年度納付額合計(単位:千円) 
看護1,107 
理学療法・作業療法 1,777 
臨床検査、診療放射線、臨床工学 1,476 
はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧 1,716 
歯科技工、歯科衛生 1,189 
(※)出典:公益社団法人東京都専修学校各種学校協会/令和元年度 学生・生徒納付金調査結果について 
 
 
作業療法士の養成課程がある専門学校の初年度納付金は約177万円(※令和元年度東京都内私立専門学校の平均額)で、看護や歯科技工、歯科衛生、臨床工学などの第3医療分野における専門学校のなかでは最も高い納付額となっています。 
また、作業療法士になるために3年間専門学校に通った場合、入学金を含めた3年間にかかる学費は470万円前後といわれています。 
ちなみに、介護福祉系の専門学校の納付金(約108万円)と比較すると作業療法士の専門学校は約1.6倍も納付金が高くなっていますが、医療系の専門学校はどうしても授業だけでなく研修や実習が多く含まれるため、全体的に学費が高くなる傾向にあります。 
また、医療系の知識を習得するための教科書や参考書などのテキスト代や、医師免許保持者による授業、あるいはそれに準じる高度な医療知識を持った講師による授業における人件費も学費が高くなる要因として挙げられます。 
これからの作業療法士には、多様なニーズ、多様な社会に対応するための高い知識や技術が求められているため、日本作業療法士協会では作業療法士教育の最低基準にて2022年までに4年制に移行することをすすめています。 
そのため、今後4年制の養成課程が主流となっていく場合、作業療法士になるためにかかる学費はさらに高くなることが予想されます。 
どうしても学費を工面することが難しい場合は、奨学金制度や教育ローンまたは提携ローンを利用するという方法もあります。 
選ぶ養成学校によって奨学金制度の内容は異なるため、近い将来奨学金制度などを利用して作業療法士を目指したいと考えている方は、事前に奨学金制度の種類や対象となる要件(高校2~3年の成績や世帯収入など)をよく理解しておくことが大切です。 

作業療法士の職場はどんなところ?

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作業療法士の活躍の場には病院や介護施設、福祉施設、行政や特別支援学校等さまざまなフィールドが用意されています。  
障がい児のデイサービスや療育施設も作業療法士の活躍場所といえるでしょう。  
また、近年では訪問作業療法士のニーズも高まってきているので多様な働き方を選択することも可能です。 
訪問の作業療法士は、患者さんが日常生活で困っている動作にダイレクトに関わることができ、解決するための方法を提案することができるため、病院とは違うやりがいを感じることができるかもしれません。 

まとめ

作業療法士になるためには 

・作業療法学科のある大学や専門学校などに入学する
・テストや実習を乗り越え、国家試験の受験資格を得る 
・国家試験に合格し就職する
 


といったステップが必要です。 
団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、高齢者の尊厳の保持と自立した生活の支援を目的とした「地域包括ケアシステム」が推進されているなかで、一人ひとりの暮らしを支える作業療法士の役割はますます高くなっています。 
医療や福祉、保健や教育など、幅広いフィールドで活躍が期待される作業療法士は就職先も多く、大変やりがいのある仕事です。 
作業療法士を目指したい、または興味をもったという方は、まずは作業療法士になるための学校選びからスタートしてみてはいかがでしょうか。 

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